■ この映画では子どもたちがたくさん出てきますが、私たちの想像を超える経験をしてきた子どもたちに、何か共通したところはありますか?
古居:普通だったらそういう過酷な経験をしてきた子どもたちって何が起こったかとかを話してくれないと思うんですけど、今回の映画にも出てくる子どもたちは、結構自分のことをしゃべってくれたんですね。親が亡くなったとか、どういう状況で亡くなったとか…。
例えば日本人の子どもたちだったらそういうことはなかなか語れない、語ることができないと思うんですけれども、やっぱりパレスチナの子どもたちは、生まれ たときからそういう環境の中にいた、という現実がある。第2次インティファーダというのがあったんですけども、この映画に出てくる子どもたちはその前後に 生まれた子どもたちなんですね。
かれら自身が、親から言われたというわけではなくて、かれら自身が爆撃を見てきたり、町が封鎖される状況を見たり、そういう日常的に起こっていることを肌 で感じていて、それを何とか伝えたいという気持ちが子ども自身にもあると思うんです。何が起こったか伝えたい、知ってほしいという気持ちはすごくかれらの 中にあったと思うんです。それは、他の国で何か災害があったとか、そういうのとはまた違う、かれらの置かれてきた状況、経験してきたことをかれらなりに自 身で話すことができるという面はあると思います。
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