■ 撮影期間はどのくらいかかりましたか?
古居:撮影期間としては前回の作品と比べると短いです。2009年の1月から3月、2回目が7月の終わりから9月まで、3ヶ月ほどです。
■ ずっと現地に滞在していたのですか?
古居:はい。なので、時間的には短いですが、起こったことが大きいので、やっぱりインパクトがあるというか、それを残さなきゃいけないと思ったんですね。
■ 滞在中、何がいちばん、苦労しましたか?
古居:やっぱり子どもたちの関係ですね。さっき子どもたちは、よくしゃべってくれたと言いましたが、それでも自身のつらい経験を語るというのは、心の痛みをまた伴っていくわけです。
やっぱりかれら自身も悩んでいたし、不安定だったし、そういうときに私がどう関わって、どの程度までしゃべってもらえばいいのか、すごく考えました。 1回目の取材のときは自分の方からいろいろしゃべってくれたんですけど、2回目のときは、そういうことにはもう触れたくない、できるだけ避けたい、そういう感じがあったので、敢えて聞きませんでした。最初の頃はゼイナーブも拒否していたんですね、話をするのを。
■ ゼイナーブはどういう女の子なのですか?
古居:そうですね。映画の中で、イスラエル兵のまねをして顔を黒く塗った女の子ですけれども、2回目に会ったときは、ヒジャブというイスラム教徒の女性のようにスカーフを被っていて、少し宗教的になっていました。 彼女自身、精神的にすごく不安定で、昔のことをしゃべるということにはすごく抵抗があったと思います。でも、話すなかで信頼関係がまた元に戻ってきて、いろんなかたちで話してくれました。(次回3へつづく)