少数民族武装組織と国軍との間で戦闘が再燃しているミャンマー(ビルマ)で、テインセイン大統領の連邦政府が8月18日に和平協議を呼びかける声明を発表したことに関し、少数民族武装勢力側は8月末、民族組織ごとの個別交渉には応じず、少数民族全体として連邦政府と直接交渉に臨む方針であると公式に回答した。
12の少数民族武装組織で構成される『民族連合連邦評議会(UNFC)』は、ミャンマー連邦政府に送付した8月28日付回答書のなかで、連邦政府側が和平呼びかけの声明で提示した「組織ごとに個別交渉をおこなう」「州・管区レベル政府を最初の交渉窓口とする」という条件を受け入れられないと表明。
「これまでの経験から、組織ごとの個別の交渉では、進展は望めず、成果も得られない」と反論した。その代わり、UNFCの交渉代表団と連邦政府の代表団が包括的に協議することによって、長年にわたって続いてきた民族問題の解決を目指すことを提案している。
同回答書の写しは、テインセイン大統領とUNFCに加盟するカチン独立機構(KIO)、カレン民族同盟(KNU)、新モン州党(NMSP)、シャン州発展党/シャン州軍(SSPP/SSA)に戦闘停止を呼びかけたアウンサンスーチー女史にも送付された。 【赤津陽治】