■ 子どもたちを撮影した2009年から2年経っていますが、かれらとなにか連絡をとったりしていますか? 今の状況はどうなのでしょうか?
古居:よく電話はします。言葉がなかなか通じないのでしっかりした会話にはなっていない部分もありますが、家族の誰が結婚したとか、そういう話は聞きます。ゼイナーブのお兄さんが結婚した話、あと、カナーンという男の子のお兄さんとモナのお姉さんが結婚した話など近況を教えてくれました。 みんな一応、元気にやっていて、映画がいつできるかとか、聞いてきます。自分たちが映画に出るということもあって、とても楽しみにしているようです。
■ この映画の一番の見どころを教えてください。
古居:パレスチナの話というと、すごく重たくて悲しい話だと思われます。確かにその証言は重たいし貴重な話です。 ただこの映画で言いたかったのはそれだけではなく、どん底というか、逆境にある子どもたちが現実に向きあって生きていく、そういうところまで描いたつもりなんです。 つらい経験をしたけれども、それを引きずりながらも畑を耕して、あるいは家を造り始め、オリーブを植え始めたりと、かれら自身の生きようとする姿から見えてくるものがあるんです。かれら自身の生活の部分もぜひ見ていただきたいと思います。
■ 日本の人びとにメッセージを。
古居:今までは、パレスチナというと、とても遠い国の話というイメージがありましたが、今は日本も大変な状況にあります。そういう意味でも、同じ年代、若い人に観ていただきたいです。小学校から高校生まで、映画に出てくる彼らと同じ年齢の子どもたちがどう見るのか、ということも知りたいです。 同じ年齢で、同じ地球上にいて、共通するところもあるだろうし、全然違うところもあるだろうし、そういう意味で観ていただきたいと思います。また子どもを持つ親御さんにも観てほしいです。
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