IATA国際航空運送協会が5日、イラン国営航空とのBSP・銀行決済取引を停止すると発表した。
IATAは、国際線を運行する航空会社、旅行代理店などが加盟する業界団体で、イラン航空は半世紀に渡ってIATAの会員だった。IATAが特定の航空会社との協力を打ち切るのは異例。
IATAの協力停止により、イラン航空は事実上、航空券を発券する世界中の旅行代理店や、代理発券を行なう各国の航空会社との提携を失い、多くの顧客を手放すことになる。その結果、収支悪化による機体事故の誘発が懸念される。
IATAは、イラン航空とのBSP取扱停止について、イラン航空が米財務省海外資産管理局の制裁対象に指定されたことを受けての措置と発表している。イラン航空のファルハド・パルヴァレシュ取締役は、今回の措置をIATAの規定に反するものとし、IATAのトニー・タイラー最高経営責任者に抗議の書簡を送っている。
アメリカ財務省は12日にも、イラン革命防衛隊と協力関係にあるとして、イランの民間航空会社マーハーン・エアーを制裁対象リストに加えた。
この数ヶ月、欧米諸国の国際空港では、イランの航空会社の旅客機に対する乗入れ禁止や給油拒否が行なわれている。
【佐藤 彰】