2 大城(デソン)区域と大城市場[2]
2008年12月取材
取材:リ・ソンヒ/解説・整理:リ・ジンス/解説協力:リ・サンボン(脱北者)
◆市場の入り口
公設市場の成り立ちと運営
これまでのリムジンガンでもお伝えしてきたとおり、北朝鮮に公設市場が現れたのは二〇〇三年の春のことだ。「苦難の行軍」(注1)の時期からその規模を拡大し続け、北朝鮮住民の生活に欠かせないものになっていたにもかかわらず、それまで非合法だった闇市場を、政府が「総合市場」として再編・合法化したのだ。
その際、それまで商売が行われていた敷地に、新しい市場の建物が建設されたのだが、政府は建物に対し、全国的に統一された基準を要求した。モデルとなったのが平壌市の楽浪区域にある「統トン一イル通り市場」だ。外国人も訪問が許されるモデル市場として、朝鮮中央テレビにもたびたび登場する。また、同市場は全国で唯一、国費で建設された市場だという。
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