◇国民窮乏の中 朝鮮中央通信が動画で報道
朝鮮中央通信は16日、「敬愛する将軍様」の雄大なる設計図によってイルカ館、スケート場、公衆浴場が平壌市に建設中であるという記事を配信した。

平壌市内中心部は、来年の故金日成主席の生誕100年に合わせて高層アパートを突貫工事で建設している。2011年8月 撮影 ク・グァンホ記者(アジアプレス)
平壌市内中心部は、来年の故金日成主席の生誕100年に合わせて高層アパートを突貫工事で建設している。2011年8月 撮影 ク・グァンホ記者(アジアプレス)

 

建設しているのは平壌中心を流れる大同江の中洲にある綾羅(ルンラ)島。イルカ館は大規模なイルカショー施設として、来年4月の故金日成主席の生誕100年を祝う行事に間に合わせるよう工事が急ピッチで進められていると、同通信は伝える。

イルカは中国から購入するものと見られ、その維持費だけで年間数千万円はかかると考えられる。経済破綻で軍隊にも栄養失調が蔓延し、国際社会に食糧支援を求めている中で、「不急不要」なイルカショー施設の建設には、今後、国内外から批判を呼びそうだ。

また、同通信は今月12日に電子版に掲載した記事で、イルカ館工事の模様を動画で伝えた。以下はその記事の全文である。
「朝鮮の風光明媚な綾羅島にイルカ館が建設されている。綾羅島は、平壌の中心部を貫流している大同江の真ん中に位置している。

軍人建設者たちは、人民により文化的で幸福な生活を与えようとする金正日最高司令官同志の崇高な志を実現するために立体戦で工事の速度を高めている。
工事指揮部の将校柳城一(リュウ・ソンイル)氏(男、46歳)は、『建築面積が5900余平方メートルのイルカ館には今後、イルカの芸を見せる公演水槽と安定水槽をはじめ各用途の水槽が設けられ、1000余席の観覧席が備えられる。

そして、南浦―平壌海水パイプラインに沿って流れ込んだ海水を貯える海水予備タンク、自動水循環ろ過システムをはじめ、イルカの生育環境に必要な対策も立てられる。
現在、イルカ館の骨組工事の実績は80%の界線を突破した』と語っている」【石丸次郎】

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