◇今年二回目の祝電 クーデター41年を祝し
朝鮮中央通信は15日、金正日総書記がシリアのバッシャール・アサド大統領に、「是正運動」41周年に際し祝電を送ったと報じた。
同通信が伝える「是正運動」とは、1970年に現大統領の父ハーフィズ・アサド氏(前大統領)が、支配政党バース党内でクーデター起こし実権を握ったことを指すと思われる。
今年3月に始まった反政府デモを、一貫して武力鎮圧してきたアサド政権に対して、アラブ連盟は12日に参加資格の一時停止処分を決め、経済制裁に向けて動いている。
また軍の統制を離脱した部隊が反体制派に合流して政府軍攻撃を始めており、シリア情勢は混乱の度を増している。
金総書記は9月にもアサド大統領の誕生日を祝う祝電を送っている。また過去にも度々「是正運動」記念日を祝う祝電を送っていた。
以下は、同通信が報じた記事の全文。
「朝鮮労働党総書記である金正日・共和国国防委員会委員長がシリアでの是正運動41周年に際して15日、バース・アラブ社会党地域書記であるシリア共和国のバッシャール・アサド大統領に祝電を送った。
祝電には、次のように指摘されている。
『私は、シリアでの是正運動41周年に際して、貴方と友好的なシリア・アラブ人民に熱烈な祝賀を送る。
ハフェズ・アサド閣下の指導のもとに行われた是正運動は繁栄する新社会を建設するためのシリア人民の闘争において歴史的な意義を持つ出来事であった。
わたしは、国の自主権と安全、安定を守るための貴方と貴国政府の活動で成果があることを願いつつ、貴方が健康で幸福であることとシリア・アラブ人民に絶え間ない進歩と繁栄があることを心から祈る』」
(石丸次郎)