国民民主連盟(NLD)党顧問のひとりウィンティン氏(82歳)は20日、4月1日にミャンマーで行なわれる補欠選挙に関して、当局による票操作の可能性について懸念を示した。
「地方遊説には多くの人びとが足を運んでくれた。足を運ぶことで示してくれた人びとの支持は絶大だが、票操作の懸念があるため、実際の投票結果がどうなるかは不透明だ」と、ウィンティン氏は懸念を示した。
ウィンティン氏によると、補欠選挙の選挙区のひとつ、ヤンゴン市マヤンゴン区では、国民ひとりひとりに与えられている国民登録番号が同じ人が194人いることがわかった。ほかの選挙区でも、地方当局が住民の投票に圧力をかけるなど、公正な選挙を阻害する動きがあるという。
ウィンティン氏は、2008年まで20年近く投獄されていたNLD幹部。今回の補欠選挙においては、北部のマンダレー管区とザガイン管区での選挙運動を担当している。党首のアウンサンスーチー女史は、地方遊説で全国をまわっており、各地での演説集会には、多くの支持者が集まっている。
ウィンティン氏は、「今回の補欠選挙で勝利したとしても、議会のなかではわずかな勢力だ。しかし、弾圧を乗り越えてきた末に、NLDが議会に参画することは、人びとに勇気を与えるだろう。また、アウンサンスーチー女史は、ほかの政党の議員たちにも大きな影響を与えるはずだ」と、選挙後の変化に期待感も示した。
【ヤンゴン=赤津陽治】