◆「リムジンガン」記者が入手
(石丸次郎)
100万人を超えたとされる北朝鮮の携帯電話加入者。その利用者は「国家機密を話してはならない」ことの遵守を求められることが、アジアプレスが入手した北朝鮮の文書で明らかになった。
文書は「移動通信加入者が遵守しなければならない内容」と題されたもので、北朝鮮内部情報を伝える雑誌「リムジンガン」の記者で平壌在住のク・グァンホ氏と、両江道に住む「リムジンガン」の協力者チェ・ギョンオク氏が、各々昨年に入手した。
この文書は、携帯電話を購入する際の「登録申請書」に付随して購入者に渡されるもので、その第二項に「移動通信加入者は、国家機密に関する内容について話してはならず、手電話(携帯電話のこと)を不純な用途に使ってはなりません」と明記されている。
「国家機密」や「不純な用途」が何かは定かではなく、罰則についての言及はない。平安北道に住む「リムジンガン」記者で、携帯電話を使用しているキム・ドンチョル記者は
「北朝鮮の人間なら、通話はすべて盗聴されていることを前提に携帯電話を使っているはず。だから政治に関する話題は話さない」
と述べた。
(石丸次郎)