(かく)されし首都、平壌の素顔
市場の人々の表情を紹介した前回に続いて、今回は平壌市内の人々の様々な表情を集めた。北朝鮮の首都として、常に美しくなければならない「ショーウインドー都市」平壌に住む人々の素顔だ。

【シリーズ紹介】
北朝鮮の官製メディアが流す北朝鮮の人々の表情は、いつも一様だ。歓喜していても慟哭していても、表情がはっきりし過ぎているし、個性が無い。すべてが「やらせ」とは言わないが、作られた感は否めない。
それとは対照的なのが、北朝鮮人記者の手によって北朝鮮内部で秘密撮影された映像に出てくる人々の表情だ。喜怒哀楽はもちろんのこと、疲れ、恐れ、誇り、我慢、そして希望。そこには他の国に住む人間と同じ、血の通った「人生」が浮かんでいる。
そんな北朝鮮の人々の顔を写真と共に紹介してみたい。

男性が交通保安員に違反切符を切られている。「どうにかならないものか」といった表情だ。二人乗りはダメ、平壌市内で大きな荷物を積んでもダメなど、北朝鮮では自転車にも細かな「乗車ルール」がある。特に平壌ではうるさく、乗ってはいけない地域などもある。罰金は通常500ウォン(トウモロコシ1キロが約1000ウォン)ほどだが、面倒な手続きを避けたり見逃してもらおうと、ワイロが横行している。このため、交通保安員は実入りのよい職業と見なされている。党幹部の子女など、出身成分の良い家の若い女性が多い。2011年7月平壌 撮影:具光鎬(ク・グァンホ)

北朝鮮政府が昨年から特に力を入れているのが「平壌10万世帯住宅建設」。2012年4月の故金日成主席の誕生日に合わせ、平壌市内を整備しようと、街は建設ラッシュだ。各地から学生や労働者が動員され、突貫工事を進めている。だが素人集団だけでは建設ができないため、「対外建設指導局」から人員が派遣され、工事の音頭を取っている。彼らは海外での建設を請け負い外貨を稼ぐ、建設のプロだ。そのためか体格の良い人が多い。細かい質問を投げかける記者を警戒したためか、表情は険しい。2011年8月平壌 撮影:具光鎬
こちらの男性は「突撃隊」と呼ばれる、国家の重要建設プロジェクトに派遣される作業集団の一員。疲れた様子で記者のインタビューに答えていた。2011年8月平壌 撮影:具光鎬

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