北朝鮮 金正日 朝中国境 朝中国境を行く 写真報告<朝中国境を行く>(2)「開放」と「閉鎖」を分かつ鴨緑江 2012.04.10 南正学 一人の北朝鮮兵士が住民と言葉を交わしている。後ろには「偉大なる金正日同志を首班に」というスローガンが見える。銃を担いだ兵士二人が河辺を巡察している。前にいる兵士は取材班の乗った船がついて来ることが気になるのか、何度もこちらを振り返った。一方の兵士は力なく歩くばかりだった。女性兵士が河辺で、麻袋に何かを集めている住民を監視するかのように見下ろしている。船から水際に下りようとしていた男性が、取材班の船が近づいた音に慌てて背を向けた。 カメラが捉えた北朝鮮の住民たちの多くは無表情のまま、足早に歩いていた。河辺を巡察する軍人たちは冷たい表情で筆者たちを睨み付けた。コメや肥料をト ラックに積み込む人々の動作からは活気が感じられなかった。手を振って挨拶を交わしたかったが、重苦しい雰囲気がそれを許さなかった。 次のページ:錆びて動かなくなった船... 1 2 3 4 Facebook postはてブLINEPocketFeedly