◆「革命博物館」陳列のため...「哀悼期間」中の忠誠心テストか
(瀋陽=李逸仙)
北朝鮮政府が故金日成主席生誕100周年にあたる4月15日までに、故金正日氏に哀悼の意を表する弔問の芳名録(弔問録)を送ることを、世界各地の北朝鮮大使館に要求していることが分かった。北京の北朝鮮大使館に頻繁に出入りする中国人実業家が明かした。
匿名を求めたこの実業家は、
「北朝鮮当局が金正日氏の葬儀後100日を『哀悼期間』と定めており、期間中は各国の北朝鮮大使館に金正日氏の写真を掲げた『弔問室』が設けられた」
と語った。
さらに
「大使館では、商用など様々な目的で大使館を訪れる訪問者を弔問室に案内して、金正日氏の死去に対し弔意を表することを強要し、あらかじめ用意しておいた『弔問録』に署名するよう訪問客を誘導した。この際に大使館側は、弔意の意を表することを拒んだ一部の訪問客に対しては、取引を拒否したり、露骨に不快感を表していた」と明らかにした。
一方、東南アジアのある北朝鮮大使館に勤める外交官の一人は、平壌からの「弔問録」提出要求が事実であることを確認した上で、「突然の要求だったため、各大使館で大きな騒ぎになっている」と述べた。
さらに、「平壌にある『朝鮮革命博物館』と妙香山にある『国際親善展覧館』に弔問録を展示するため」と政府の目的を説明すると共に、「各国の大使館では『弔問録』に署名した人数に応じて『哀悼期間』における業務を評価される。このため、焦りを感じたいくつかの大使館では、『弔問録』を持って、面識のある人や北朝鮮に対し温厚な態度を持っている人たちを訪ね、署名を哀願した。「『弔問録』は4月15日の行事に合わせ平壌を訪れる大使館職員が、直接持って行くことになる」
とこの外交官は語った。
(瀋陽=リ・イルソン)