◆「電気も来ない。飢えて死ぬ人も」
国際社会の注目を一身に集めた「ロケット発射」が行われた13日午前、アジアプレスは北朝鮮内部の取材協力者との通話を試みた。北朝鮮では現在、「太陽節」を控え中国との国境地帯で厳戒態勢が敷かれており、緊張感ただよう中での対話だった。その内容からは、ひどくなる一方の生活苦と、それを顧みない政府への静かな怒りが浮かび上がってきた。現地の状況を報告する。
○統制強まり悪くなる一方の生活・・・咸鏡南道では餓死者も
取材協力者は咸鏡北道のとある国境都市に住むハ・スリョン(河秀蓮、仮名・30代女性)氏。聞き手は中国にいる「リムジンガン」記者、パク・ヨンミン(朴永民)。
問:そちらの生活の様子はどうですか?
答:とにかく大変です。
問:それは食べていくのが大変ということですか?
答:そうです。ますます大変になっています。
問:生活は以前よりも良くなりましたか?悪くなりましたか?
答:全般的に以前より悪いです。
問:それは去年よりも今年の方がもっと大変になったということですか?
答:はい、そうです
問:お住まいのところでは今、電気の供給がありますか?
答:住民用の電気の供給は全くありません。来ても5分だけとか、それだけです。
問:当局は検問所を増やし、通行証の確認を徹底するなど統制が厳しくなったと聞いていますが、どうですか?
答:その通りです。それで商売が上手くいかなくなっていて、私をはじめ、皆の稼ぎもずいぶん減っているでしょう(編注:ハさんは主婦。商売をしている)。
問:一つ確認したいのですが、そういった統制は、今回の「太陽節(4月15日の故金日成主席生誕100年)」を迎えるにあたって厳しくなったんですか?あるいは以前からそうだったのですか?
答:厳しくなったのは・・・
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