「Smoking kills」の張り紙 4月25日、ニューヨークのクイーンズにて 撮影 宮崎紀秀(一部デジタル加工してあります)

 

「Smoking kills (喫煙は殺す)」。痛烈である。
厳しく突き放しておきながら、一方では、ご丁寧にも「喫煙は血流を悪くし、性的不能を起こし得る」と説く。親身、いや、お節介と言うべきか。
ガラス窓に外向けに貼られているということは、不特定の歩行者に向けたものなのだろう。親切心からにしては、なかなかの毒舌ぶりである。
統計によれば、アメリカでは成人の2割近くが煙草を吸う。他人の異なる価値観に普段はおおらかなニューヨークでさえも、喫煙者に対しては冷たい。

4月25日、ニューヨークのクイーンズにて 撮影 宮崎紀秀(一部デジタル加工してあります)

 

今やほとんどの食堂やバーが喫煙を禁じている。だから愛煙家は路上に逃げ出す。
「やれやれ、ここで一服」と気を緩めた愛煙家たちに、一撃を食らわし降参を迫るために、この警告はじっと待ち伏せしているに違いない。
【ニューヨーク=宮崎紀秀】
※ニューヨーク在住のジャーナリスト宮崎紀秀氏の写真エッセイを連載していきます。

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