北朝鮮住民の韓国製衣類ブームは普段着だけでなく韓服にも当てはまる。最近脱北したチャ・グァンオク(40)氏は「昨年平壌の親戚の家に行ったら朝鮮式のとは違うスタイルの韓服を着た人々を見た。当時は『平壌の経済は地方とは違って発展している』と思ったが、韓国に来てそれが韓国製の韓服だと知った」と話した。
北朝鮮の韓服はチョゴリ(上着)の襟部分が細く単色である。花の刺繍が施されているのが特徴で、種類も1、2個に過ぎない。それに比べ時代劇などで王妃が着る韓国の韓服は襟部分が太く、色も鮮やかなのが特徴。
90年代末からは一部の上流階級で、韓国の韓服を着て結婚式を挙げることもあったという。招待客のなかで韓国産の韓服であると分かる人は、実物を見て「ドラマに出てくる南朝鮮の生活が作り事ではない」と感嘆していたと某脱北者は伝えた。
2011年脱北した平壌出身のハン・ヨングォン(46)氏は「2010年までは韓国製の韓服を着た女性を見かけなかったが、『革命の首都』平壌で韓国式の韓服が登場したということは韓流が急激に進んでいる証拠」と評価した。
北朝鮮の朝鮮芸術映画撮影所が制作した2012年版カレンダーにも韓国ドラマ「大長今」の主人公、イ・ヨンエが着ていたものに似た韓服姿のモデル写真が印刷されている。意図的とまでは言えないが、韓国文化が北朝鮮社会に徐々に浸透している現象の一例と言える。
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