工場企業所にも同様の方式が導入される予定だという。消息筋は「企業所の場合、最小生産費は国が『投資』し、その資金で原材料を購入し生産する。販売収入は国と該当企業所が一定比率で分ける」と説明した。該当企業所は分配された収入で企業所を運営する。
北朝鮮当局は協同農場作業分組と工場企業所に先払いする生産費用を「国家投資」と表現していると消息筋は伝えた。「財源及び資材不足→生産減少→収入減少→勤労意欲低下→生産減少」という悪循環を断ち切り、生産サイクルを回復させることを目論んだとものと見られる。
またこの消息筋は「新義州の化粧品など各道毎に1、2か所の示範単位が選定された。近日中に国家投資が開始されるのではないか」と話した。
韓国農村研究院のクォン・テジン副院長はデイリーNKとの通話で「集団営農方式の根幹は維持しつつ各営農単位の生産意欲を高めることで、国全体の食糧生産を増やそうとしている」と、新経済政策の目的を分析した。
現在北朝鮮の農業管理方式は、道の農村経理委員会が生産計画指標を作成後、内閣農業省の承認を受け、各生産単位に生産目標が割り当てられる。その後、農資材と土地使用量、軍隊支援金などを除いた残りの生産物を各生産単位に分配する。
しかし脱北者などによれば、国が農資材使用費用などを事前に高めに策定するため、国による買収後に農場員に配分されるのは制限的である。協同農場が農資材を自主的に調達する場合でも、国が買収価格を引き上げないため、農場員に分配される量はむしろ少なくなる。
よって、今回の国家買収価格現実化措置は「協同農場が農資材を市場から調達すれば、それを(国が)カバーするもの」だとクォン副院長は解釈する。
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