◆国境税関は閑散。人・モノの往来ほとんどなく

(中国延吉=パク・ヨンミン)

国境の川・豆満江の向こう側に広がっているのが、北朝鮮の会寧(フェリョン)市。人口10万を超える大きな都市だ。中国側の現地住民によると、最近では合法・非合法を問わず中国を訪れる北朝鮮住民はほとんどいないという。7月30日、中国側からパク・ヨンミン撮影(アジアプレス)

北朝鮮の会寧(フェリョン)市は、朝中国境の豆満江側では最も大きい国境都市だ。故金正日総書記の母、金正淑(キム・ジョンスク)氏の故郷としても知られている。国境の様子を見に、先月30日、対岸の中国吉林省龍井市の三合鎮を訪れた。

川幅が最大でも数十メートルと狭いことから、元来、密輸が盛んで、脱北者を含めた北朝鮮住民の往来が多かったこの地域だが、今ではずいぶんと静かになったという。地元の商人に聞くと「最近では親戚訪問で訪れる人も、脱北者もほとんどいない」と教えてくれた。

しばらくの間、付近の高台から会寧市と三合鎮を結ぶ国境の橋を眺めてみたものの、橋が工事中のためか、行き来する車両や人影は見当たらなかった。中国側税関は軍人が厳重に警備しており、一方の北朝鮮側では新庁舎の工事が進められていた。人の往来も、物流もまったく活性化された様子はなく、付近は閑散としていた。

対岸に見える土色の建物が、北朝鮮側で建設中の新しい税関だ。3階部分まで完成しているのが分かる。撮影:パク・ヨンミン

★新着記事