朝鮮の国旗が売られている横にブラジャーが綺麗に陳列されていた。値札には「共和国旗 二〇〇ウォン」「カスムティ(胸帯=ブラジャー) 三〇〇」 とあるが、このブラジャーの価格なんてでたらめだ。そんな値段で作れるはずがない。女性客が子供の下着の値段を販売員に尋ねるが、販売員は首を横に振る。 どれも販売していない。
四階に上がる。暖かそうなふとんやベッドが並べられている。「ベッド用品一式 一三万八一〇〇」「ふとん 五〇〇〇」「ふとん 四万四五〇〇」など とある。そばに婦人服売場。いろんな種類のカラフルな洋服が陳列されている「服を着てみる場所」(試着室)」がある。値段は、高価なものと極端に安い国定 価格のものが混在している。「女性ツーピース 一二万五〇〇〇」「女性スカート 三万七〇〇〇」「絹製チマチョゴリ 七万五一〇〇」「女性上着 五四〇」 「女性ジャンパー 八三〇」など。売らないのをわかっていて、女性販売員に意地悪に訊いてみた。
ク:販売員さん、ちょっとお尋ねします。これは表示された値段で買えるんですか?
販売員:売りませんよ。
ク:ああいう服はいつ販売するんですか?
販売員:商品がないから売れないんです。展示用の分が入ってきただけだから。
ク:うちの奥さんにいいなと思ってね。あそこにあるワンピースは中国製? それとも国産ですか?
販売員:中国のものですよ。あちらの六万九〇〇〇ウォンのも中国製です。
「女性Tシャツ 二二五」「女性Tシャツ 二四〇」とあるのを見て訊く。
ク:あの襟が青色のTシャツは売ってますか?
販売員:売りません。
ク:あれは国産ですか?
販売員:はい。こっちの売場のものは全部国産です。あちらの(値段の高いもの)は、中国製です。
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