◆年初の2倍。北朝鮮内部で調査
北朝鮮国内で食糧をはじめとする物価が、年初のほぼ2倍に高騰していることがわかった。アジアブレスの北朝鮮内部の取材パートナーが7日電話で伝えて来た。
伝えてきたのは咸鏡北道の会寧(フェリョン)市に住む女性。北朝鮮内部情報を伝える雑誌「リムジンガン」の取材協力者の一人である。この女性が公設市場を調査して伝えてきたところよると、国産の白米は1キロが5600-5700ウォン、トウモロコシは1キロが2800-3000ウォン。中国1人民元は1030-1050ウォンだった。(1人民元は約13円)
「8月に入って米価も外貨のレートも乱高下して大変だったのだか、この数日少し落ち着いた」と、この協力者はいう。
ちなみに今年2月末から3月にかけて、アジアプレスが北朝鮮国内で行った物価調査では、国内産白米が2700~3300ウォン、トウモロコシは900~1200だった(いずれも1キロ当たり)。また中国人民元1元は640~655ウォン、1米ドルは4000~4100ウォンだった。食糧価格は2倍以上に急騰、朝鮮ウォンは人民元に対して約4割下落したことになる。
食糧価格の変動は、ほぼ人民元の交換レートの変動と一致しており、ウォン1人民元相場が下落すると、食糧価格が上昇する。会寧市の市場では米もトウモロコシも大量に売られており、価格高騰は食糧不足によるものではない。
「どんどん物価が上がるのでとても不安だ。新しい経済政策や農業政策始まるという噂は広く流れているけれど、人民班や職場の会議では何の具体的な説明や指示はまだない」と、協力者は述べた。
【石丸次郎】