◆餓死者は見えず 農村の食糧事情
問:春先には多くの餓死者が出たという話ですが、今はどんな状況でしたか。
答:五月までかなりの数の人が死んだのは確かです。けれども現在はそういった話は耳にしませんでした。農繁期なので、落伍者が出ないようにお互い助け合っているということでした。むしろ都市部の方が危ないという話はありましたね。
問:コチェビの姿は多かったでしょうか。
答:増えたという印象はありませんでしたが、そもそもコチェビが少なかったことが無いんですよ。
問:物価はどうでしたか。
答:コメは11月中旬に4500ウォンから4700ウォンほどに下がったのですが、今(11月下旬)にはまた6000ウォン(約70円)近くまで上がっているといいます。トウモロコシはその半額程度です。トウモロコシ麺の場合、不純物を除いた質の良いものはコメと同じくらいしますね。
問:今年、物価は随分上がりましたね。
答:去年キロあたり100~150ウォンだった白菜が、今年は400~450ウォンもします。まったくついていけませんよ。食糧だけではありません。例えば交通費。長距離バスの値段も2倍以上に上がりました。
問:今、外貨の交換レートはいくらですか?
答:100元(約1300円)が11万ウォンです。
問:収穫期の今、農民たちはどんなものを食べているのでしょうか。
答:粉にしたトウモロコシとキムチです。農村の基本的なおかずはキムチですから。キムチを刻んだものを水に入れて沸かしたものにトウモロコシの粉を入れて食べるんです。キムチといっても質の悪いものが多いです。
問:それが平均的な食事だと。
答:農村ではそうです。都市部で商売をする人たちの場合は、トウモロコシと白米を半々に混ぜたものを食べている人も少なくありません。
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