◆市民の寄付で制作の「ラジオフォーラム」
原発問題など、社会問題を粘り強く報じ多くの支持を集めながら昨年9月に放送が終了した毎日放送(大阪市)の報道番組「たね蒔きジャーナル」を引き継ぐ番組を作ろうと、市民によって準備されてきた「ラジオ・フォーラム」が1月12日、放送を開始した。(ラジオフォーラム)
「たね蒔きジャーナル」の存続を求める市民の活動では、署名が1万を超え、寄付金は1003万円が集まった。この寄付金をもとに昨年12月に一般社団法人「ラジオ・アクセス・フォーラム」が大阪市で結成され、新番組の立ち上げに向け準備が進んでいた。「たね蒔きジャーナル」存続運動の呼びかけ人だった放送作家の石井彰氏、ジャーナリストの石丸次郎氏、今西憲之氏、西谷文和氏、社会運動家の湯浅誠氏が運営委員を務める。
「ラジオにジャーナリズムを」を掲げる「ラジオフォーラム」は、当面、毎週土曜日に一時間の報道番組を企画制作し、全国のコミュニティFM放送33局とインターネットを通じて放送する。
12日の初回放送では、「たね蒔きジャーナル」に数多く出演し、同番組が原発問題を粘り強く報じていると高い評価を受けるきっかけとなった、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏が特別ゲストとして出演。福島第一原発事故の現状や安倍新政権での原発政策などについて解説した。
小出氏は「たね蒔きジャーナル」の打ち切りについて、
「良質なジャーナリズムを背負ってきた番組がなくなり、大変残念な思いだった」
と振り返った。
また安倍新政権や自民党の原発政策については
「未だ事故が収束していない中で原発推進をちらつかせており、大変あきれた政党だ」
と批判する一方、7月に予定される次期参院議員選挙までは支持率低下を嫌い、原発政策に大きな動きはないと予測した。
また番組では、昨年11月にモンゴルのウラン鉱山跡地を取材した西谷氏が、モンゴルに放射性廃棄物の処理場が建設され、「核のゴミ捨て場」になるのではないかという疑惑について報告した。
「ラジオフォーラム」の第二回目の放送は1月19日で、ミュージシャンの小室等さんをゲストに放送される。また既に放送された番組は「ラジオフォーラム」のホームページで聴くことができる。
(松田明功)
※小出さんの音声をラジオフォーラムでお聞きになれます。
◎ラジオフォーラム(http://www.rafjp.org/)
「小出裕章さんに聞く 原発問題」まとめ