◆差別反対の「対抗街宣」広がる 国会議員も動く
(ラジオフォーラム リ・シネ)
公然化した「差別憎悪扇動行動」に対し、反対の動きが共感の輪を広げている。東京・新大久保では、排外デモ後に商店街で暴言を吐いて店舗や韓流ファンの日本人に嫌がらせをする動きに対し、抗議活動が行われるようになった。また「チナゲチネヨ」(仲良くしよう)などと書かれたプラカードを無言で掲げ、排外主義に「NO」を突き付ける行動が広がった。

「差別憎悪扇動行動」への抗議には多くの市民が集まった。3月31日大阪・鶴橋駅前 撮影リ・シネ
「差別憎悪扇動行動」への抗議には多くの市民が集まった。3月31日大阪・鶴橋駅前 撮影リ・シネ

 

大阪・鶴橋では、在日コリアンと日本人が一緒に立ち上げた「友達を守る団」が、差別反対のプラカードを掲げたり、商店街での嫌がらせ行動を食い止めるための警備活動が行われるようになった。
2月以降、腰の重かったマスメディアも、この異様な「差別憎悪扇動行動」を取り上げるようになった。韓国や中国のメディアもこの排外デモを報じている。

また3月14日には、有田芳生参院議員らにより「排外・人種侮蔑デモに抗議する国会集会」が行われ、署名が東京都公安委員会に提出されるなど、この深刻な「差別憎悪扇動行動」が社会問題として認識され始めた。
このような動きに伴って「在特会」側らのグループからは、これまでのような「死ね」「殺せ」といった脅迫的で悪質・過激な言葉が、スピーチやプラカードから消えつつある。

3月31日、大阪の鶴橋駅前では「在特会」ら約40人が差別排外街宣活動を行ったが、その横で市民ら200人が「日本・コリア友情のキャンペーン」街宣活動が行われ、「在特会」らは反発する市民に包囲された形となった。

三方を市民と警官に囲まれた「在特会」らのグループ。情宣参加者は減っている。3月31日大阪・鶴橋駅前 撮影石丸次郎
三方を市民と警官に囲まれた「在特会」らのグループ。情宣参加者は減っている。3月31日大阪・鶴橋駅前 撮影石丸次郎

 

これまで「在特会」らの活動については「相手にしない方がいい」「放置しておけばいつかは消える」と言われ続けて来たが、その結果が、悪質化、過激化につながったように思う。一番の問題は差別への無関心ではなかったのか。
31日の鶴橋の駅前では、ある在日コリアンの青年が「大阪に差別はいらない」と書いたプラカードを掲げた。大阪はもちろん、この日本に、世界中に差別はいらない。ひとりひとりが、心の中にそう書いたプラカードを掲げることが必要ではないだろうか。

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