27年ぶりにミャンマーから来日した国民民主連盟(NLD)党首のアウンサンスーチー氏(67)は13日、東京で在日ミャンマー人との集会に臨んだ。会場となった渋谷のホールには、約1800人が早くから入場の列に並んだ。(赤津陽治)
スーチー氏は、冒頭の演説の中で「ミャンマーに帰国するつもりがあろうがなかろうが、祖国への愛情を失わず関心を持ち続けてほしい」と呼びかけた。
その後、事前にメモで寄せられ「政治・経済・教育・その他」に分類された質問に答える形で、スーチー氏は自身の考えを語った。
軍事政権主導で起草された現行憲法について、「憲法起草者は国民の大多数から信頼を受けた者たちでなければならず、起草過程に透明性がなければならない」と述べ、現行憲法のままでは、2015年の選挙は公正なものにはなりえず、早期の憲法改正が必要だとの考えを示した。
また、国名としてBurmaを使い続けてきた理由について、「ビルマ語では、私も"ミャンマー"を使っている。英語での国名をBurmaからMyanmarに変えた際に国民の意思を全く聞かず、統治者が勝手に変えたことに納得できない。そして、Myanmarにはすべての少数民族も含むという言い分にも根拠がない。BurmaとMyanmarは口語と文語の違いでしかない」と述べ、「英語での日本の国名がJapanであるように、国としての品格を保つ自信があれば、変更する必要はない」との見解を示した。
ミャンマー人難民の帰還問題について明確には語らず、「私たちの国の医療や教育レベルの向上のために、寄付だけでなく、専門的知識や能力を生かして、力になってほしい」と呼びかけるにとどまった。【赤津陽治】