リ・ハナさんは、「北朝鮮の住民たちの間に、戦争すれば勝てないという認識があったと思います」と語った。写真:南正学
リ・ハナさんは、「北朝鮮の住民たちの間に、戦争すれば勝てないという認識があったと思います」と語った。写真:南正学

 

:そのような実態について、住民たちはどのように思っていましたか。
:私や周りの人たちは、ああいう子たちで本当に戦えるのか、どうやって戦うつもりなのかと思っていました。

さらに住民たちは、私たちが生活苦に耐えながら食糧を軍隊に優先して送っているのに、一体その食糧はどこに行ったのかと怒りを表す人もいました。政府は、軍隊を優先しているからと配給もくれないのに、その軍人たちは栄養失調で倒れていくのだから、住民たちの怒りも当然のことです。

みんな、幹部たちが中間搾取をするからだと思っている様子でした。当然、戦争すれば勝てないという認識が広がってしまうのも仕方がないことでしょう。
(つづく)
【リ・ハナさん】
1980年代半ば、北朝鮮北西部の都市で生まれる。 両親は日本からの「帰国事業」で北朝鮮に渡った在日朝鮮人2世。中国に脱出後、2005年日本に。日本入りした脱北者として初めて大学に入学。今年3月卒業した。近著に「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」
書籍「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」の詳細

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