リ・ハナさんは、「北朝鮮は韓国や日本などの周辺国を緊張させる政策も、早く止めるべきだ」と話した。写真:南正学
リ・ハナさんは、「北朝鮮は韓国や日本などの周辺国を緊張させる政策も、早く止めるべきだ」と話した。写真:南正学

◆被害を受けるのは、結局は北朝鮮の民衆たち

:金正恩政権による緊張激化策が続いています。
:北朝鮮に今も住む親戚と友達の顔が思い浮かびます。また会える日が来るのか心配になります。金正恩政権の行動は、北朝鮮の住民にとって何の利益もありませんし、国際社会も振り回されています。とても残念です。

金正恩は頻繁に「わが人民」という言葉を使いますが、頭の中には人民のことなんて無いんだと思います。「人民」は将棋の駒に過ぎません。金正恩政権の行動のために、被害を受けるのは結局、北朝鮮の住民たちです。その日の食べ物を手に入れようと必死な住民たちを、決起大会や軍事訓練などの行事に無理に動員しています。

これから国際社会からの経済制裁によって食糧支援が減ると、そのしわ寄せは全て住民が甘受することになるでしょう。金正恩政権の無茶のツケを民衆が払う、悪循環なんです。あまりにも残酷な現実です。いつまで国民を苦しめるのつもりなんでしょうか。。韓国や日本などの周辺国を緊張させる政策も、早く止めるべきだと思います。
(続く)
【リ・ハナさん】
1980年代半ば、北朝鮮北西部の都市で生まれる。 両親は日本からの「帰国事業」で北朝鮮に渡った在日朝鮮人2世。中国に脱出後、2005年日本に。日本入りした脱北者として初めて大学に入学。今年3月卒業した。近著に「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」

書籍「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」の詳細

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<脱北者に聞く北朝鮮>リ・ハナさんインタビュ (全7回)一覧

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