シリア北東部に位置するハサカ県デレク市(アラブ名アル・マリキーヤ)には、クルド人が多く暮らす。
同国最大のクルド政治組織、民主統一党(PYD)の地元支部事務所を訪ねた。事務所内にはPKK(クルディスタン労働者党)党首アブドゥラ・オジャラン氏の写真が飾られ、強い結びつきが伺える。

シリアのクルド政治組織、民主統一党(PYD)デレク市代表のタラット・ユニス氏はこれまで非合法政治活動の罪で何度も逮捕された経験を持つ。党事務所は昨年9月、市内のシリア秘密警察の建物跡に開設された。(ハサカ県デレク市3月下旬撮影:玉本英子)

 

支部代表のタラット・ユニス氏(33)は、アサド政権崩壊後の方針について、民主主義に基づく北東部地域の自治行政を目指し、学校でのクルド語教育など、クルド人としての権利を求めていく一方、シリア国民としての政治参加をすすめていくと語った。
PYDの軍事部門である人民防衛隊(YPG)については、YPGはあくまで自衛のための部隊であることを強調、ハサカ県南部地域を軍事支配する自由シリア軍とは今のところ互いに連絡を取り合いながら「静観している」状況であり、今後、小さな衝突はあっても大規模な戦闘に発展することはないだろう、と述べた。
【シリア北東部ハサカ県デレク(アラブ名アル・マリキーヤ)  玉本英子】

アサド政権の治安機関が撤退し、現在、市内の治安は人民防衛隊(YPG)によってコントロールされている。市内中心地の建物に描かれていたハフェズ・アサド前大統領の肖像画は黒く塗りつぶされ(左上)、YPGの文字(右下)が書かれていた。(ハサカ県デレク市3月下旬撮影:玉本英子)

 

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