自身のブログをまとめた「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」を今年1月に出版してから、リ・ハナさんは多くのメディアの取材を受けた。脱北者の一人として、メディアに露出することに躊躇を覚えながらも、彼女が果敢に取材に応じてきたのはなぜか。(取材・整理 大村一朗)

リ・ハナさん。写真:南正学

 

◆多くの取材と反響に驚き
:本が出版されてからというもの、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌と、多くのメディアのインタビューを受けましたね。
:はい、思ったより反響が多く、驚きました。また、たくさんの方から励ましの言葉をいただきました。記者の方たちは、単に仕事だからというのではなく、脱北者のことを伝えようと真剣に考えてくれていました。北朝鮮問題を専門にしているわけではなく、たまたま私の本を読んで、取り上げたいと言ってくださった方が多いことにも驚いたし、嬉しかったです。

:取材を受ける中で、ハナさんが伝えたかったことは何ですか?
:日本に来ている脱北者は、確かに大変な思いをして日本にたどり着き、不慣れな土地で困難な環境に置かれています。でも、ただかわいそうだなという同情ではなく、この人たちも日本社会の役に立とうとがんばっている、そして役に立てる人たちなんだ、ということをわかってもらいたかったし、伝えたかったです。
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