質問:
スーチーさんは、ミャンマーからの訪問中、地震の被災地を慰問する予定はありますか。スーチーさんは、ミャンマー国民のみならず、世界中の人々、難民に手を差し伸べられる人ですから、地震被災者の避難所に行って、激励していただきたく思います。彼らを力づけ、喜ばれると思います。
ASSK:
その予定はありません。時間的制限があるからです。私も行きたいですが、時間的にかなりの制限があります。
外国を訪問するというのは、政治のためです。私が政治家であることは、皆さんがご存知のことです。政治のためとは、政治に何が含まれるかといいますと、外交があります。今のように、国外にいるミャンマー人とのつながりを持つということもあります。それらを優先的に考えて、私は外国を訪問しています。
国内の用事も本当にたくさんありますし、両方のバランスを考えて、外国訪問のためにどれだけ時間が割けるか、制限のなかでやっています。私は、外国を訪問してみて、1週間から10日以上の旅行は適当ではないと感じています。適当ではないというのは、1週間から10日以上行っていると、国内の仕事が山積みになっているため、追いつかなくなるのです。
ですから、こちらとあちらのバランスをとりながら、外国を訪問しているのですが、できるかぎり1週間か10日以上にならないようにしているのです。その間に、できるだけ、私たちの国にとって、二国間関係にとって、利益となることを予定に入れています。
地震の被災者にとても会いに行きたいですが、そのためにはかなりの時間を割かなければなりません。予定を立てるのも難しい。ですから、この場をお借りして、申し上げたいと思います。地震の被災者に同情するとともに尊敬しています。
私がこの国を尊敬するところは、モラルがあるという点です。津波があったとき、大きな被害が出ているとき、世界が称賛したのは、大きな問題が起きているにもかかわらず、物資の強奪などもなく、泥棒なども全くなかったことです。
他の国であれば、自然災害が起きたならば、被災者がいるにもかかわらず、同情することなく、盗みや強奪を働く者が一方で多くいるということがよくあります。しかし、この国ではそれが全くありません。皆モラルを持って、勇気を持って、努力して、自身の生活を再建しようとしました。それは、私たちが真似るべきことです。
ですから、この場を借りて、被災者の方々に励ましの言葉を贈ります。月並みな言葉ですが、
「この国の被災者は、復興させることができる力を十分に持っていると信じています。その能力を尊敬します。私たちは、被災者の方々のことをできるだけ想い続けながら寄り添います」
このように申し上げたいと思います。
(つづく)