人民防衛隊(YPG)のクルド人女性兵士たち。「他の勢力が町に入れば、すぐに銃をとる」と話す。後ろにある男性の顔写真は戦闘で死んだ仲間の遺影。(シリア・ハサカ県ラアス・アルアイン 撮影:玉本英子)

 

シリア北東部のカミシュリから西に車を走らせる。草原にまっすぐに伸びる幹線道には、数キロおきに検問所があり、クルド組織、人民防衛隊(YPG)の民兵が検問をおこなっていた。かれらはクルド人が多く暮らす北東地域を掌握している。
YPGの3割以上は女性兵士だ。検問所の兵士は20代前半。地元出身で、自分たちの町を攻撃から守るため志願したという。銃の使い方などの訓練をへて、10か月前、この検問所に配置された。

幹線道路で検問をおこなうYPGのクルド人女性兵士。不審者が地区に侵入するのを警戒する。(シリア・ハサカ県カミシュリ郊外 撮影:玉本英子)

 

YPGはシリアのクルド人防衛のために組織された。イラク北部にゲリラ拠点を設けてきたクルド人組織クルディスタン労働者党(PKK)の指揮下にある民主統一党(PYD)傘下の武装部隊。アサド政権の政府軍だけでなく、支配地域をめぐって自由シリア軍とも戦闘を構えてきた。その後、自由シリア軍とは合意が結ばれたが、情勢が不安な地域では、戦闘がいつ再開するかわからない。
【ハサカ県カミシュリ近郊 ラアス・アルアイン 3月下旬 玉本英子】

 

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