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6月4日北京の西単にて、宮崎紀秀撮影(写真はデジタル加工してあります)
6月4日は北京が一年で最も緊張する日と言える。
民主化を求める学生らが、軍の銃弾の犠牲となった天安門事件が起きた日だ。今から24年前、1989年のことである。
記念日に合わせた反政府デモなどを封じ込めるため、天安門広場や繁華街などには、大量の警官が配備され、安全検査なども厳しくなる。若者が集まるショッピング街でも、警察車両が睨みを利かせていたが、カメラを向けるのは御法度だ。
学生たちが命を懸けてまで熱望した祖国の民主化。しかし、国が力を注いだのは、政治体制の改革ではなく、経済成長だった。経済発展の狂騒の中で育った子供たちは戦車に踏みつぶされた当時の学生たちと変わらぬ年齢に達したが、政治よりも消費に心を奪われている。
だが、事件が風化した訳ではない。
警察車両が人々を威圧し続けていることこそが、その証拠である。
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6月4日北京の西単にて、宮崎紀秀撮影(写真はデジタル加工してあります)