ビルマは2011年に軍政から民政に移管されたが、軍は依然として強大な影響力を保持していると言われる。宇田さんは、ビルマ国内で写真集を出版し、その著者紹介では顔写真をおおやけにしているが、今後、フォトジャーナリストとしての現地での活動に支障をきたすことはないのか。
「ビルマはこの1、2年で大きく変化しました。海外メディアは、まだ軍がバックにいるからと慎重になりすぎて、ビルマ国内の空気がすっかり変わっていることに付いてゆけていない。確かに、これは上からの改革であり、軍はまだ力を持っているけれど、それに対抗する力も非常に大きいことを知るべきです。
ビルマ国内のメディアやジャーナリストは元気で、何にでも食いついていく。現地の彼らが、捕まってもかまわないくらいの覚悟でやっているのに、外国人の私が顔を出すのを怖がっているわけにはいかないと思いました」
(続く)
写真集「Peoples in the Winds of Change 1993‐2012」(邦題・ビルマ 変化の中に生きる人びと)は、日本では株式会社 高文研から発売されました。
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