北朝鮮に生まれ、中国に脱出後、2005年に日本にやってきた「北朝鮮人」リ・ハナさんと、東京生まれで東京育ち、朝鮮学校に通ったこともある在日コリアン3世の辛淑玉(シン・スゴ)さん。生まれも育ちも違う2人のコリアンには意外な共通点が...。北朝鮮の青春、友情、恋愛、夢とは。(編集:アジアプレスネットワーク編集部)
◆北朝鮮でモテる男子とは
辛:ところで、北朝鮮ってモテるのはどういう男の子なの?
ハナ:強いって言うか、リーダーシップがあって...。
辛:私たちの頃(朝鮮学校時代)は「班長」とか、「分団委員長」とか。
ハナ:はい。モテます。
辛:やっぱり
ハナ:「分団委員長」は頭がよくて、行動力があって、たとえばお金持ちの家だったり、幹部の子だったりします。「学級班長」はとにかく強い子で...。クラスをまとめなきゃいけないので、力強くて、ケンカの強い子がなるんです。「分団委員長」より「学級班長」の方が怖いんですけど、カッコいいっていうか...。
あと、「副委員長」とか、「チョ(組)」も。7人ぐらいの「チョ」があって、「チョジャン(組長)」とか。北では最後まで単位があるんですよね。バッチをつけてて、線一本に星3つとか、そんなのをつけている子を見ると、勉強ができるか、お金持ちの家の子かなぁと。
辛:こっちでいえば総連の幹部の子供っていう話だよね。
ハナ:私も小学校の頃は、クラスで「思想副委員長」をやっていて、中学校入ってからは、「学習委員」をやっていました。でもあんまりすることがないっていうか、朝、学校へ来ると金父子の肖像画を拭いたり...。
辛:そうそう!やったよ、なんでこんなことしなくちゃいけないんだって。
ハナ:少年団員がチェックしに来るんです。だから毎朝、とりあえず肖像画を綺麗に拭いて、本を一冊朗読するんです。それが「思想副委員長」の仕事で、一応「ササン(思想)」という肩書きがついているので、そういうことを一応やらなきゃいけないんです。
毎日毎日、少年団員が来てチェックするんですね。ちょっとでもおかしなことがあると言われるんです。肖像画を拭いたフキンはどこにも使っちゃいけないから、綺麗にして置いといて。そんなことをやっていました。
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