◇ロウハニ大統領演説をイスラエルのみボイコット
アメリカ・ニューヨークの国連本部で行われている第68回国連総会で、アメリカのオバマ大統領とイランのロウハニ大統領が24日の午前と午後(現地時間)、それぞれ演説を行った。
いずれの演説も相手国との関係改善を強調する内容だった。1979年のイスラム革命以来、両国首脳が初めて「接触」するのではないかと期待された今回の国連総会だが、まだ実現していない。
イランのイスナー通信が25日伝えたところによると、24日午前に行われたオバマ大統領の演説には、イランからザリーフ外務大臣をはじめとする国連訪問団の主要メンバーが出席し、オバマ大統領の演説を終わりまで聞き届けた。一方、ロウハニ大統領の演説では、アメリカから国連使節副代表が出席し、他の西側諸国の代表団とともに、ロウハニ大統領の演説を最後まで聞いた。
かつてイランのアフマディネジャド前大統領の国連演説では、西側諸国が大挙して途中退席するのが恒例だったが、今回、イラン大統領の演説をボイコットしたのはイスラエル代表団だけだった。イスラエルのネタニヤフ首相は、ロウハニ大統領の演説を「欺瞞に満ちたもの」と激しく批難した。
ニューヨークに入るやいなや、フランスとの首脳会談、イギリスとの外相会談を次々にこなし、一般演説では「新しいイラン」を国際社会に強く印象付け、満場の拍手で迎えられる一方、宿敵イスラエルにこれほどの孤立を味わわせた今回の国連総会は、イランにとって外交的勝利と見なされる。
しかしながら、今回の国連総会では、両国の関係が急展開することは容易に望めないことも国際社会に印象付けた。アメリカ政府からは、イランとの首脳会談や外相会談を求めるサインが繰り返し送られていたにもかかわらず、いずれもイラン側の拒否によって実現しなかった。
ロウハニ大統領がオバマ大統領の演説に出席していれば、オバマ大統領もそれに応えただろうが、「ニアミス」さえも恐れるあまり、これも実現しなかった。このことは、アメリカに対して有利に振舞うことだけを目的とし、直接対話を望んでいない勢力がいまだイラン政府内に根強く残っていることを物語っている。