◇「抜本解決」は、まず福島の人たちに向けて発信されるべき
R:港湾内で汚染水がブロックされているという嘘、こういうことを世界中に発信してしまったわけですが、安倍首相は後で責任を問われたら、どうやって責任を取るのでしょう?
小出:必ず、責任を問うて欲しいと思いますし、安倍さんは責任を取るべきだと思います。
R:安倍首相が着手しているという「抜本解決に向けたプログラム」は、まず、福島の人たちに向けて発信されるべきものではなかったでしょうか。
小出:おっしゃる通りです。福島第1原子力発電所の事故で、十万人を下らない人たちが苦難のどん底につき落とされ、2年半経った今も何の改善もされていない状況です。安倍さんが何かそのことに対してきちんとしたプログラムがあるというのであれば、まずは福島の人たちに対してそれをきちんと説明しないといけないのであって、それをしないまま、世界には何かプログラムを持っているかのように言っている。本当に軽々しい発言だなと私は思います。
安倍スピーチの空虚さに呆れる人々がいる一方、五輪招致の成功に酔いしれ、多くのマスメディアは安倍スピーチを手放しで絶賛している。
今も福島では多くの人々が避難生活を余儀なくされており、線量が高いホットスポットは東京にもある。東京から自主避難する人もいる。そして何より、2011年3月11日に発令された原子力緊急事態宣言は未だ解除されていない。この現実を切り捨ててはならない。
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