◆インド政府の「宣伝」催事に対抗、独立派住民が抗議の文化イベント
9月7日、スリナガルで、演奏会が開かれた。世界的に有名なインド人指揮者、ズビン・メータ氏が率いるドイツのバイエルン国立管弦楽団が演奏を披露したほか、インドの有名俳優やスポーツのスター選手、欧米を中心とした各国大使ら200人も招かれた。演奏の模様は約50ヶ国に衛星放送で生中継された。
演奏会は「カシミールの想い」と題され、その副題には「夢の実現」などの言葉が並んだ。この演奏会の主催はドイツ大使館であるものの、実質的にはインド政府がほとんどを取り仕切った。
スリナガルの独立派系市民グループはこの演奏会を「カシミールが平和だとアピールするためのインド政府によるプロパガンダ」と訴える。
市民グループは、この演奏会に対抗する形で「真実のカシミール」とするイベントを独自に開催。地元住民多数が参加し、抵抗の詩をよみあげ、ラップ音楽や現代芸術的なパフォーマンスで、インド政府によって繰り返される住民弾圧に抗議した。
【スリナガル 廣瀬和司】