「不純宣伝物」取締りの布告文出される
9月中旬になって、北朝鮮各地の取材協力者からほぼ一斉に、「『不純宣伝物』を取り締まるための『布告文』が配布、張り出された」との情報が伝わってきた。
前出のB氏は、電話で次のように述べた。
「布告文下達のために人民班会議が開かれ、保安署(警察署)の人間が来て『過去に悪いもの見た人間は自首せよ』と通告した」。
私たち取材班はB氏に、「布告文」の入手を依頼した。あいにく彼は写真機を持っていないので、現物を書き写し、数日後に電話で全文を読み上げてくれた。
なお「布告文」は、鉄道駅構内や街頭の掲示板など、人目に付きやすいところに張り出される。
不思議なことに、配布された「布告文」の発布日は2004年12月25日になっていた。この点についてB氏は
「『10年近く前の「布告文」がまた下りてきたのは、我が人民の警戒心が瓦解したのでもう一度やるということだ』と保安員が説明した」
と語った。
両江道で配布された「布告文」も発布の日付が2004年で、内容も同じだったと別の協力者が伝えてきているので、B氏が口頭で伝えてきた「布告文」は、再発布された同一のものと見ていいだろう。
次のページへ ...