発布機関名が「国防委員会 人民保安部」とあるが、2004年当時は内閣傘下の「保安省」であったので、再発布に合わせて機関名だけは現行の「保安部」に改められたものと思われる。

「布告文」にある「不純出版宣伝物」とは、要するに韓国の本・雑誌・チラシ・ビデオのことだ。また、各地の現場で摘発の標的になっているのがUSB メモリーである。このことから、わざわざ10年近く前の「布告文」を再下達したのは、韓国の映像物に対して、金正恩氏が直々に支持を下し、国をあげての大 統制に乗り出したことを意味すると考えられる。8月初に摘発を始めた当初、金正恩政権は、それを「淫乱ビデオ」取締りに矮小化して
着手する方針だったのではないか。(続く)
9月に再発布された布告文。その後、各地で「不純録画物」関連の銃殺刑執行が続いている。

 

布 告不純出版宣伝物を隠れて見たり流布させたりする者たちを
厳格に処罰することについて

今日、偉大なる先軍の旗幟の下で気勢を上げる我が国の社会主義制度を、目障りな存在としている帝国主義者たちと反動勢力たちは、我が共和国を内部から瓦解 させるための思想文化的浸透策動に執着しており、思想精神的に変質し、金に目がくらんだ一部の不純な者どもは敵の反共和国謀略策動にかかり、不純出版宣伝 物を密輸、密売したり、隠れ見て流布させたりする行為をためらうことなく敢行している。

現在の情勢は、人民全体の社会主義決死守護精神と高い階級意識を持って、我が政治思想陣地を倒そうとする敵どもの悪辣な策動に覚醒して対応し、徹底的に破壊し尽くすための全面大決戦を展開していくことを切迫に要求している。

人民保安部は委任を受け、不純出版宣伝物を密輸、密売したり、隠れ見て流布させたりする行為を徹底的に無くすために、以下のように布告する。

1.不純出版宣伝物を密輸する行為を絶対に行うな。
2.不純出版宣伝物を隠れ見たり、聴いたりする行為を絶対に行うな。
3.不純出版宣伝物を流布させる行為を絶対に行うな。
4.不純出版宣伝物を密輸、密売したり隠れ見て流布させる者たちの犯罪事実を隠匿する行為を絶対に行うな。
5.不純出版宣伝物を密輸、密売したり隠れ見て流布させる者たちは全て自首せよ。
6.監督統制機関の職員たちは、物質、情実、人間関係にほだされ、不純出版宣伝物を密輸、密売する者たちを見逃す行為を絶対に行うな。
7.法機関が、不純出版宣伝物を密輸、密売したり隠れ見て流布させる行為を調査するにあたり、むやみに干渉したり、圧力をかけて妨害したりする行為を行うな。
8.すべての公民たちは、高い政治的階級視線を持って、不純出版宣伝物を密輸、密売したり隠れ見て流布させる者たちを鋭く監視し、該当機関にすぐに申告せよ。
9.この布告を破ったものは職位、所属に関係なく容赦なく逮捕し、刑事責任におよぶまでを厳格に処罰し、家族と共に移住追放し、違法行為に利用した手段を没収する。
10.この布告は、全ての機関、貿易、軍需、特殊機関、企業所、団体および公民に適用される。

朝鮮民主主義人民共和国 国防委員会 人民保安部主体93(2004)年12月25日

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