「反映文」というのは北朝鮮独特の表現。自己批判の内容を記した反省文のようなものだ。今回、当局が要求しているのは「ひと言で自白書、自首書といっていいもの」だと取材協力者は語る。
だが、現地の住民たちは「いったい私たちが彼ら(当局が『張成沢一党』と表現する集団)について、何が分かるというのか。結局は今回の事件(での張氏の罪状)を見て、関係のありそうな自身の罪を自首せよというものだろう」という反応を見せているとのことだ。
記念写真や「反映文」の提出強制からは、北朝鮮の「ナンバー2」で金正恩第1書記の叔父でもあった張成沢氏が粛清されたことで、住民に広がるであろう思想的な動揺を未然に防ぎ、金正恩氏に対する忠誠を強要するねらいが見て取れる。当局は今年8月にも、改定された「党の唯一的領導体系確立のための10大原則」の内容に関する「反省文」を住民に提出させている。
北朝鮮では今、張成沢氏の存在自体が政治的に「除去」されようとしている。張氏の身柄はどうなっているのか、また、張氏粛清の余波はどこまで、そしてどう及ぶのか、今後も予断を許さない状況が続くと見られる。
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