◇故金総書記追悼大会を「不動の姿勢」で視聴するよう当局指示
(本紙特約=「デイリーNK」カン・ミジン記者)
北朝鮮の平壌で17日、故金正日総書記の2周忌追悼大会が行われた。こうした中、北朝鮮当局は金正恩第1書記への絶対的な忠誠を強要しており、住民の間に緊張が張り詰めていることが分かった。当局は「正しい姿勢で追悼行事に参加すること」を強調し、「些細な不順な行動も許さない」旨を住民に周知させ、実行させたという。
北朝鮮北部・慈江道に住む取材協力者は18日、デイリーNKとの通話で
「将軍様(金正日)追慕大会が進行される時間に合わせ、ほとんどの機関で会議室にテレビを置き、追悼集会を実施した。上から『拍手をする時も、座っている時も姿勢を崩してはならず、拍手を適当にする行動も認めない』という指示があったため、児童と住民は『不動の姿勢』で行事を視聴した」
と語った。
この取材協力者はさらに、住民の様子をこう説明する。
「今回、張成沢が処刑され、『元帥様(金正恩)への忠誠心において僅かな私心もあってはならない』という内容とともに、『我々の元帥様しかいないという信念で生きていかなかればならない』ということが最近の思想講演の主な内容だった。このような時に少しでも異常な行動をとると見せしめ(の処罰)に引っかかる恐れがあるため、住民はひどく緊張している」。
一方、子ども連れて行事に参加していた両親たちの苦労は並大抵では無かったようだ。「一部の両親は『まだ死が何かも知らない3、4歳の子供は行事の最中に笑ったりいたずらをしても仕方ない。(子供たちの)こうした行動が幹部に見つかるのではとひやひやした』と話していた」と、取材協力者は明かす。
金正恩氏は今回、叔父である張成沢国防委副委員長の粛清を通じ、党と首領に反対すればたとえ叔父であろうと容赦ないことを国民に示した。このため、北朝鮮の住民は当面「発言や行動に注意しなければいけない状況」に置かれることとなり、生活上の苦労は絶えないものと思われる。
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