将校たちの栄養失調も深刻だ。食糧事情の悪い部隊では、将校の家族への食糧配給が滞る場合も多い。将校の妻は、立場上市場で商売をすることが禁じられてい る。このため、80年代までは将校に嫁ぐことが自慢だったのに、今では「将校に嫁ぐのは底辺の人たち」と住民の間で言われる始末だ。将校たちは食糧を確保 するため、下級兵士に渡されるべき物資を不正に取り上げることになるが、これも、軍内の栄養失調の一因になっている。
常に腹を空かせた下級兵士たちは、本来守るべき住民たちの食糧を奪い取ることで命をつなぐ。内部映像を撮影した取材協力者は「兵士が盗賊集団に成り下がったというのは北朝鮮では常識」と嘆いた。
韓国に接する「西南戦線」の最前線部隊の兵士たち。12年8月に現地を訪れた金正恩氏を囲んで記念撮影している。よく見るとほとんどの兵士が痩せこけている。写真の補正を頻繁に行う北朝鮮の官営メディアも、兵士の栄養状態までは隠せない。労働新聞より引用。
金正恩氏が「先軍政治」を掲げた父の後を継いで丸二年が過ぎた。本来、軍内の食糧事情を改善し、失墜した軍隊のイメージを回復することは急務であったはずだが、残念ながら今のところ、その成果は上がっていないと見てよさそうだ。
◆ 写真報告 金正恩体制下増えたコチェビ
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