ラジオ局のプロデューサー、アリ・サファル氏は、内戦前、シリア国営テレビ局で働いていた。「国内に暮らす人びとの心の支えになればと、音楽や詩の朗読なども流しています」と話す。 【トルコ南部ガジアンテップ 1月撮影・玉本英子】
ラジオ局のプロデューサー、アリ・サファル氏は、内戦前、シリア国営テレビ局で働いていた。「国内に暮らす人びとの心の支えになればと、音楽や詩の朗読なども流しています」と話す。 【トルコ南部ガジアンテップ 1月撮影・玉本英子】

1日7時間の放送。戦闘状況だけでなく、人びとの心の支えにと、音楽や詩の朗読番組も流す。外国のNGOやシリア人ビジネスマンなどからの支援金で設立された。
トルコで運営にあたるスタッフは14人。全員がシリア人難民だ。内戦前は学生や会社員だったが、国内の人びととつながりたい、という思いで参加した。

チーフプロデューサーのアリ・サファル氏(44)は元シリア国営テレビ局で、ドラマ制作のディレクターをしていた。1年前、ダマスカスからヨルダンへ避難し、FMラジオ局発足の話を受け、トルコに来た。現在は番組統括のほか、市民記者の育成も担当している。

「戦火で情報が寸断されているため、国内で暮らす人びとの多くが、シリアで何が起きているのか知るすべを持ちません。戦闘状況だけでなく、食料供給など、人びとが命をつなぐことができる情報を少しでも多く伝えたい」とアリ氏は話す。

ラジオ局が運営するフェイスブックには、国外避難民のほか、国内でわずかにつながるネット環境のなか、市民らが寄せた感謝のメッセージが書き込まれている。アリ氏は今後、シリア全土での放送を目指している。
【トルコ南部・ガジアンテップ 玉本英子】

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