「シリアでは、女性は男性と平等のように伝えられるが、それはプロパガンダ。実際、女性たちは虐げられてきた。そして今、イスラム過激派勢力が支配地域を広げ、女性の状況はこれまで以上に悪化している。もっと光を当てていかねば」と、思いを語る。
紙面の内容は、病気時の対応法や、今後シリアの女性たちが経済的にどうやって自立できるのかなど、非常に具体的だ。創刊は夏頃の予定で、ようやく完成したサンプル誌を国内に持ち込もうと準備中だ。
インタビュー中、シリア国内のスタッフからインターネット回線を通してスルタンさんに連絡が入った。ダマスカス郊外の町から、他の町へ逃げようとした市民のうち、政府側の民兵たちによって、男性200人あまりが殺害、女性たち数十人がレイプされたという情報だった。スルタンさんは、手を小刻みに震わせながら、「なんてことだ...」と声を漏らした。
「国民どうしが殺しあう内戦なんて誰も望んではいない。でも誰も止めることができなくなってしまった。それでも、平和への願いはつなぎとめたい。私はシリア国内に残る人たちの力になりたい」
スルタンさんは刷り上ったばかりの紙面を手にしながら話した。
【トルコ南部・ガジアンテップ 玉本英子】
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