◆子どもの甲状腺がん増加、「原発事故と関係なし」と福島県立医大
健康管理調査は原発事故による健康影響を調べるため、2011年6月から、福島県と県立医科大が運営主体として実施してきた。子どもの甲状腺検査は この一環だ。1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故の後、周辺地域で子どもたちの甲状腺がんが多発。「詳細検査」として行われている。森松さんの ケースのように、検査を受けてもその場で説明はなく、データが一括して県立医科大に送られるという。
福島県の発表では2月7日現在で、疑いも含め75人の甲状腺がんが見つかっている。これまで、子どもの甲状腺がんは百万人に1人か2人とされてきた。しかし福島県の検査では約27万人が受けてこれだけ発生。33人は摘出手術を受けている。
しかし県立医科大はチェルノブイリでは4、5年後から甲状腺がんが多発したことなどを根拠に、福島での多発と原発事故と関係はないという立場をとる。検査によって、将来的に見つかるがんを早期に発見し、数字が増えたというのだ。
3月11日、テレビ朝日「報道ステーション」が多発している子どもの甲状腺がんの実態に迫る特集を放映した。チェルノブイリの周辺地域では当初触 診で診断、エコー導入と多発が同時期であることなどを検証し、実際は早い段階で甲状腺がんが発生していたことなどを報じた。一方、放映翌日、県立医科大は 改めて、事故とがんとの関係を否定する見解をHPで発表している。
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