◆イラク戦争で空爆をしてきた米軍機と日本
アメリカのように海外派兵をして戦争をする国になる。
アメリカに付き従って、イラク戦争のような戦争に加わる。
それが、安倍政権の進める集団的自衛権の行使容認の本質であることは確かです。
イラク戦争に出撃して空爆をしてきた米軍の空母艦載機が、神奈川県川崎市の筆者の家の上空をしばしば飛び回ります。
それら米軍機は厚木基地を拠点に訓練飛行をしており、筆者の家は厚木基地の北東約13キロにあるのです。
頭の奥まで突き刺さるような米軍機の爆音の不快さとともに、我が物顔で低空を飛び回る機影に苛立たしさ、忌まわしさを覚えます。
まして、米軍機がイラク戦争で空爆をしてきた事実からすれば、血塗られた翼としか言いようがありません。
厚木基地は神奈川県中央部の大和市と綾瀬市と海老名市にまたがり、面積は約507万平方メートルで、2438メートルの滑走路があります。
航空管制区域である半径9キロ内には、大和市、綾瀬市、海老名市、座間市、藤沢市、相模原市、横浜市、東京都町田市の市街地が含まれ、その範囲内の人口は約150万人に上ります。
厚木基地は同じ県内の米海軍横須賀基地を母港とする米空母艦載機の航空基地です。FA-18ジェット戦闘攻撃機などが爆音を轟かせて訓練飛行をくりかえしています。
耳をつんざく爆音に基地周辺の住民は長年にわたって苦しんでいます。耳鳴りや難聴、ストレスによるイライラ、頭痛、動悸、不眠など、爆音による心身の不調に悩まされているのです。
「爆音はうるさいだけじゃなくて、恐怖を感じるんです。爆音が聞こえてくると身震いがして、洗濯物を干していても家の中に飛び込んで耳をふさぎま す。墜落するかもしれないという不安もあるけど、音そのものが心を圧迫するんです、怖いんです。戦場って、こういうものなのかなと思ったりします。やはり 住んでみないとわからないでしょうね......」
滑走路南端から数百メートルのところに住む六十代の女性は、取材で訪れた私に、そう語りました。