日本の6年生たちに遠い国の戦争のことをどれだけ伝えることができるかと不安であったが、映像に映る同じ年のシリアの子どもたちの家族が殺されたり、町や学校が爆弾で破壊された話に真剣に聞き入っている。
授業では、シリア内戦のいきさつについて、わかりやすく話した。最初は市民の反政府運動だった。平和的なデモだったが、政府の軍隊は市民を攻撃し た。反政府組織も銃を取り、国民どうしが殺しあうような状況になってしまった。戦争は大人だけでなく、家族も子どもも巻き添えにする。そして、戦争の道へ 一歩足を踏み入れると、誰にも止められなくなる。その事実を知ってほしいと思った。
児童たちに授業の感想を聞いてみた。
「戦争で人が死んだり、壊された家のテレビ映像を見たことはあったけど、ご飯が食べられなかったり、外国へ逃げたりというのは考えたことはなかった。戦争は、そこにいるすべての人を巻き込む、おそろしいものだと知った」(ひかるさん)
「想像していたより生活が大変なのに驚いた。小学校へ行けなくて、どうやって大人になるのか、つらすぎる」(はるかくん)
意岐部東小の6年生たちは今月末に広島へ修学旅行の予定だ。今回のシリアの話を踏まえて、戦争は遠い昔のことではなく、いまも世界各地で起きてい て、自分と同じたくさんの子どもたちが、命の危険にさらされていることを知ってほしい。そして平和の大切さについてあらためて考え、世界での出来事や人び とについても関心を持ってくれたら、と心から願う。
【玉本英子】
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