原子燃料工業熊取事業所(撮影:鈴木祐太)

◇原燃熊取工場で全原発の3割製造 手作業の燃料棒組立に驚く
4月5日、大阪府南部の熊取町で原子力関連のある施設が一般公開された。公開されたのは京都大学原子炉実験所、原子燃料工業株式会社熊取事業所、大阪府熊取オフサイドセンターの3か所。このうち、原子燃料工業株式会社は、読んで字の如く、原子力発電所で使う燃料を製造している場所だ。いわゆる原子力ムラの中枢の1つと言って良いだろう。燃料は工場でどのように作られているのか、取材した。(アイ・アジア 編集部/鈴木祐太 )

●原燃工場の敷地内へ
原子燃料工業は敷地が2万8千平方メートル。見た目はいたって普通の工場で、外から見ただけでは、ここで原子力発電所の燃料をつくっているとは思えない。
一般見学の受付をすると、担当の社員から会社や安全PRのパンフレットの入った手提げ袋をもらった。袋の中が可笑しかった。会社のロゴの入ったペンが入っていたのはわかるが、ジュースに無料で交換してくれる引換券まで入っていたからだ。

入口に設置されたテントには、工場を説明するブースや、福島県や福井県の名産品販売コーナー、輪投げコーナーがあった。名産品販売コーナーは原発で迷惑をかけている地域への配慮だろうか。見学会への会社の並々ならぬ意欲を感じた。
原子燃料工業は1972年に住友電気工業と古川電気工業の原子燃料部門を統合し総合原子燃料専業メーカーとして発足し、09年からは米ウェスチングハウス・エレクトリック社が株式を52%取得し筆頭株主になっている。茨城県東海村にも事業所があり、熊取では加圧水型原子炉(PBR)、東海村では沸騰水型原子炉(BWR)の燃料を製造している。因みに、PWRの代表格が大飯原発。BWRの代表格が言わずと知れた福島第一原発だ。
日本の原子炉で燃やされる燃料の30%がこの会社で作られているという。
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