3月2日、ミャンマーの最大都市ヤンゴンで、同性愛者どうしの結婚式があった。
ティンココさん(37歳)さんとミョウミンテッさん(27歳)は、交際10周年にあたるこの日、家族や友人400人を招き、盛大な結婚式を挙げた。
ふたりは、ミャンマーで初めて同性愛者としてカミングアウト。法律的には認められているわけではないが、公の場に出ての同性婚のニュースは、戒律の厳しい上座仏教徒がほとんどのこの国で大きな驚きを持って報じられた。
半世紀以上、軍政下に置かれていたミャンマーが民政移管したのは2011年のこと。その後、経済や政治ばかりではなく、凄まじい勢いで社会の変化が起こっている。それとともに、個人の意識変化も急速に進みつつある。
ふたりのもとを訪れた。それぞれの左手の薬指には金色の結婚リング。
自分たちの関係を公にすることに抵抗感はなかったの、と聞くと、
「少しはありました。それよりも自分たちの気持ちに正直になりたいという意識の方が強かったんです。今、ミャンマーには自分たちと同じような人が1000人ぐらいはいるんじゃないでしょうか」
ふたりはいま、ヤンゴン市内に同性愛者(LGBT)の権利獲得のため事務所を開設し、一般の人向けの啓発活動に取り組み始めている。
【ヤンゴン 宇田有三】