◇市内厳戒 当局による捏造の可能性も
北朝鮮北部の咸鏡北道会寧(フェリョン)市で先週、金正淑氏の銅像爆破未遂事件が発生したと、アジアプレスの北朝鮮内部の取材協力者が14日伝えてきた。
「会寧市内の金正淑銅像のすぐ後ろに時限爆弾が仕掛けられ、それを警備兵が発見した。この事件のために会寧市全体が保安員(警察官)によって封鎖され、道路は10メートルごとに警備が立っている」
このように取材協力者は述べた。
街では住民は身分証の確認が求められ、怪しまれた者は居住地に照会されるなど、厳戒体制が敷かれていたという。
「監視カメラには犯人らしき人物の姿が写っていたが、まだ逮捕されていないと聞いた」
とこの取材協力者は伝えた。
金正淑は金日成の妻で金正日の実母。会寧市は金正淑の生まれ故郷で、ツツジの花を抱く金正淑の大型銅像がある。
北朝鮮では、当局が意図的に公安事件をでっち上げて社会の緊張を高め、住民統制を強化するということがはしばしば行われる。今回の銅像爆破未遂事件が、実際にあったのか、公安当局による捏造なのか真偽は定かではない。
アジアプレスでは中国キャリアの携帯電話を用いて北朝鮮内部の取材協力者と連絡を取り合っている。(ペク・チャンリョン)