◆周辺住民やバス利用者も曝露の可能性が高い
しかもアスベストの大量飛散による曝露被害はそれだけにとどまらない。じつは駅周辺の歩行者や住民にもそのおそれがあるのだ。
なぜなら市が12月12日朝に実施した測定では、地上においてもアスベストが検出されているからだ。発表資料によれば、地上歩道付近の「排気口」で機械室前と同じ青石綿が空気1リットルあたり2.5本検出されている。
測定地点は六番町駅北口の1番出入口から地上に出たところにある、2階建てほどの塔状の建物前だ。
市交通局によると、この「排気口」は実際には地上の新鮮な空気を駅構内に送り込む「吸気口」で、アスベスト除去を実施していた機械室につながっている。
機械室は駅構内に空気を取り込む送風設備を置く場所だった。除去工事のため送風設備は停止しているが、その結果漏えいしたアスベストが吸気用の配管を通って逆流し、外部に飛散したとみられる。
「排気口」は建物の高さ5メートルの部分にあり、測定地点は建物わきの高さ1.2メートル地点という。そこは小さなロータリーや自転車駐車場、バス乗り場になっており、人通りも少なくない。近隣は住宅地だ。駅利用者や歩行者らがここでもアスベストに曝露した可能性がある。
~つづく~
【井部正之】
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※初出「名古屋地下鉄駅構内でアスベストが高濃度飛散 明かされぬ曝露実態と行政の不手際」『ダイヤモンド・オンライン』2014年1月6日掲載に加筆修正
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